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同人誌「プラスマイナス」では只今会員募集中です。

このブログでは同人誌「プラスマイナス」に掲載された島野律子の作品を紹介しております。 同人誌「プラスマイナス」とは? 紙媒体で発表可能な作品であれば、なんでもOK。 体裁は文庫サイズコピー誌20ページ。隔月(奇数月)発行。偶数月には会員からのアンケート・おたよりを中心にしたペーパーを発行しております。 興味をもたれた方は以下の「弱拡大」内メールフォームよりご連絡お願いいたします。  

かれた熱が引ききって流れていくので

暮れかけた道のうねる粒だった家たちは固まりついて
少しずつ離ればなれにうずくまる
影はうすくほそくたなびいて消えそうに川の上をまたぎこしても
風の根本にまかれて閉じる逆むけの肌で押し返して
来るな来るな
かじかんだ頸に泣きつく声みたいにやぶける
火伏せの祈願が山の底を抜いたのに
気づかなかったきれいな枝を選んで入る
手応えのない坂だけがのびる水際
くずを掬って漉いている溶けた肉でも食べたそうに
鳥みたいに羽ばたいて曲げる指から
にじんでいる冬の髄の液をかぶって
みんなぼやぼやと明るんでは
一つきりの村になって折りたたんだ雲の薄皮をほんとうに
噛んでいた夜まで遠くにあるように
乾かされて広げた手がちぎれて飛んでいる
黒い土のすきま落ちていればいいのに
くるぶしをつかんで掘り返した山をあびても

同人誌「プラスマイナス」126号掲載
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