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目黒川には鯰が 続 [エッセイ]

 標本が来るより先に、紹介先での初診があります。てきぱきと受付も担当している事務の方が電話して、ちゃっちゃと申し込んでいただいてますよ。翌週火曜日午後二時半予約がとれたと。早い早い。検診専門のクリニックですから、このあたりもう、患者に有無を言わせない勢いがあります。施設目標は、死因から「乳がん」をなくすこと。患者の躊躇などどーんと押しやれです。いやもう、楽させていただきました。初診外来は火曜日だけらしく「早く取れましたね、運が良かったですよ」と喜ばれてしまいました。「とにかく混むんでね、弁当もっていくような感じですよ。気長に待ってください」はい。まあ、その状況は慣れっこですんで。いやもう午後なら半日待てば済むんだし、大したことはないです。ええ。とか、素で思う自分は間違っているような気もしますが、なんだかんだで腕のいい医師というかそういう評判を取れる医師は数が限られております。で、混みまくる。当然です。特に初診外来はひとりにどれだけ時間掛かるか読めないし、予約通りこなせるなんてありえません。それでも予約時間に遅れたりすると、容赦なく飛ばされたりして、こっちは時間厳守しかない。とは言え、きっと遅れたことにも気づかれないほど押し押しでしょうが。うーん仕事丸一日休むしかなさそうだなあ。まず初診受付からしなきゃならないし、初めての病院は勝手がわからないので早め早めにしなければ。しかし、それはそれとしてその前に中目黒まで行かねばなりません。というか、前回も書いたとおり中目黒ってどこですか。どうやって行き着いたらいいんでしょうか。当惑している自分の前に病院のサイトを印刷したと思しい地図が差し出されました。
こ、この手回しのよさ。「駅から大して遠くないですからね、まあ初めはタクシー使って下さい。ワンメーターでいきますよ」そうですか。でもタクシーは簡単に捕まるんでしょうかねえ。
 さて初診時に治療計画が具体化するのかどうかもわからない。いきなりオペとなっても、空きがあるんだかどうだか。いえいえ、こんなにでかくなるまで放置してたうっかりものの患者ですんで、腕利き医師の意見に意見したりは致しませんですよ。ええ。でも十一月はダンス公演のチケットとりまくってるんです。特に、ナチョ・ドゥアトの「ロミオとジュリエット」はどうしても見たい。なんで、この作品なんだよは置いといて、どうしても見に行きたいんですよ。と、このときは本気で心配しておりました。いまとなってはもう甘い、甘すぎるんだよおまえは、ではありますけれども。
 「えきすぱーと」で中目黒駅を検索。おお、こんなところにとしみじみ見入ってしまいました。遠い、遠いよ。これからずっとこんなとこまで通院するのか。家にいながらぐったり車酔い気分になりました。そして予約日、立川で乗り換え、新宿で乗り換え、渋谷で乗り換え、中目黒着。どうして、立川はまあ置くとして新宿も渋谷もこうまで乗り継ぎに消耗させられるんでしょうか。えんえんえんえんとさ迷った記憶ばかりが残ってますよ。そしてタクシーも使ったよ。行きも帰りも。行きなんていきなり逆方向で客待ちしていたタクシーに乗り込んでしまい、物凄く迷惑そうな顔されましたよ。交通費だけで三千円越え。ああ。初診受付は、紹介状を持っていますので総合窓口の別枠にて行い、なかなかいい感じに診察券など発行していただいたため、おおう、予約時間までまだ小一時間あります。そして予想通り予約が二時半とはいえ、そんなもん守られるわけない。外科外来の待ち合わせの椅子に座りながら、まあ四時すぎたら一応受付に問い合わせようと決心しておりましたら通じたようで、呼ばれました、四時五分前に。前日予定より早くクリニックから預かってきた自分の病理標本を、あまりの忙しさから挙動不審一歩手前に来ている、ものすごく既視感バリバリの初診担当外科部長に手渡しました。そしてやっぱり一から検査やりなおしかあ。この病院も外来採血担当は検査技師の模様です。そして採血始めてから日が浅そうです。アル綿で消毒後、いきなり内側の静脈から採りたそうにされ「あっその血管薄いんで真ん中からお願いします」と指示してしまいました。ここを、ディスポで狙うなよー。事故起きたらどうするんですかー。と他人事ながら明らかにやる気ないおっさん技師が心配になりましたです。そしてまた既視感というか、よくある建て増しに継ぐ建て増しのため一本道のはずの廊下が全く見通せなかったりする通路をどきどきしながら歩き回り、マンモとって写真持参の上なんだか案内までついて診察室まで戻りました。そこで超音波も当然とりまして。こう言ってはなんですが、そのせんせいちょっとエコーは下手かも。脇のリンパ節画像に出すのは確かに難しいですけども、写真に落とした患部の画像も、こう、いい加減というか、そして、そのそこで大きさ測るんですか。いえ、その。そしてさらにCT検査の手配をしますからとまた待合の椅子で待たされまして、呼ばれて行ったら、今度はやたらと若い医師の診察室に通されました。しかし診察時に「はじめまして、○○です。宜しくお願いします」なんて滑舌よく話されるの、初めて聞いた気がします。お若い方は礼儀正しいです。「おいくつですか」と口を滑らせないために全精力を使い果たした気がします。CT予約は、三週間先の午前十一時十分ですと。この十分てのが物悲しいです。そーか十分刻みなのか。パソコン画面上をちらっと見ましたら、ほんとに運よくたまたま空いていた様子です。予約日の三日後までは一杯になってますよ。その次はもう月が変わっていて確認できない。どこも
かしこもなあ。ちなみにガンはもちろん状態にも寄りますが、大急ぎで検査をして即治療という病気ではありません。ここらへん、患者意識とのギャップで、前の職場では、よく患者さまから怒られました。つまり今後の治療予定はすくなくとも三週間以降にならないと立ちませんです。そしてオペもきっとつめつめなんだろうと思われます。入院はいつになるやらです。お陰でナチョの公演には、つつがなく通えることとなりました。ここ一番でついている自分にちょっとほくほく致しました。

タグ:目黒
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